車を綺麗に保つはずのコーティングにムラができてしまい、悩まれているのではないでしょうか。ボディーがくすんだり、汚く見えてしまう原因のムラを落として、綺麗な愛車を取り戻したいと考えているでしょう。
こうしたコーティングのムラは、自分で施工した場合だけではなく、ディーラーや専門店での施工にも見られるため、トラブルの原因になっています。コーティングは決して安いものではありませんし、大切な愛車に満足なコーティングがされなければ腹も立ってしまいます。

しかし、ムラができる原因がわからなければ、何度やり直しても同じようにムラができたり、業者の言われるままになってしまうかもしれません。

そこで今回は、コーティングにムラができる原因を詳しくお伝えします。原因がわかれば、その落とし方も施工のコツもわかるようになります。ディーラーや専門業者の言いなりにならず、満足なコーティングができるように話を進めることもできるでしょう。

さらに、DIY向けに具体的なムラの落とし方や、ムラのできない施工のコツについてもお伝えしていきますので、綺麗な愛車を手に入れるための参考にしてください。

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1. ガラスコーティングでムラができる5つの原因

ディーラーや専門店でコーティングをした方も、自分でコーティングをした方も、ムラの原因を知っておくことが大切です。

例えば、ディーラーや専門店で施工したコーティングにムラがあったとします。当然、施工のやり直しを申し出ると思います。しかし、なぜムラができているのか理解していないと、担当者からもっともらしい説明をされて、納得できる施工をしてもらえない可能性があります。

ご自分でDIY施工されている方も、ムラができる原因がわかならなければ、何度やり直しても同じことを繰り返してしまいます。コーティングにムラができる理由がわかるだけで、ディーラーや専門店の不親切な説明に惑わされたり、同じ失敗を繰り返すことがなくなるのです。

では、具体的な原因について詳しく見ていきましょう。

①下地処理ができていない

コーティングとは、塗装面の上に保護膜を作ることです。そのため、下地(土台)となる塗装面が汚れていたり、傷が付いていれば綺麗にコーティングすることができず、ムラになってしまいます。

例えば、女性が化粧をするのと同じです。普段から化粧水や乳液で地肌のお手入れを欠かさず行います。さらに、化粧をする前には化粧ノリをよくするための化粧下地を塗ってからメイクを行っています。

しかし、下地処理を怠ったり肌の調子が悪ければ、化粧ノリが悪くなって綺麗なメイクができません。女性の化粧も下地が大切なのです。これは、車のコーティングにも同じことが言えます。

実際に、下地処理がコーティングの仕上がりや効果を左右すると言われるほどです。ご自身で施工されている場合には、コーティング前の下地処理を丁寧に行うことが、ムラを作らないための一番のポイントなのです。

また、ディーラーや専門店に施工を依頼した場合には、きちんと下地処理を行ったのかを確認しましょう。コーティングをやり直す場合も同じです。綺麗に下地処理ができていなければ、何度塗り直しても満足な仕上がりにならないことがあるからです。

コーティングを依頼する前であれば、丁寧な下地処理を行っているかを確認することが、失敗しない業者の選び方でもありますので覚えておきましょう。

②コーティングの塗り残しや塗りすぎ

コーティングの施工には、次の2つの工程があります。

⑴コーティング剤の塗り込み
⑵コーティング剤の拭き取り

特に、自分で施工する場合には、①の工程で、コーティング剤の塗り残しや塗りすぎによってムラができてしまうことがあります。つまり、コーティング剤を均一な厚みで塗れていないことが原因となるのです。

③コーティング剤の拭き取り不足

拭き取り作業は塗り込んだコーティング剤を均一にならす作業なので、コーティング剤の塗り込みの後、十分に拭き取りを行わないとムラの原因となってしまいます。

さらに、コーティング剤がしっかりと付着してボディに馴染むためにも拭き取りをしっかりと行いましょう。拭き取りが不十分だと、コーティングの効果や耐久性にも影響しかねません。

コーティングをする時には、塗り込み、拭き取りの2工程を丁寧に行うことが、ムラを作らないためのコツになります。

④炎天下で作業を行った

気温の高い季節や時間帯にコーティング行うことも、ムラの原因となります。

例えばワックスがけの場合には、炎天下で施工するとすぐに乾燥してしまって伸びが悪くなるため、均一に塗り込むことが難しくなります。コーティングはワックスほど施工性が悪くはありませんが、乾燥すると伸びが悪くなってしまいます。

また、最近主流のガラスコーティングでは、熱を加えることで硬化するまでの時間が早くなるため、炎天下で施工に時間がかかってしまうと、一部だけ硬化が早まり均一に塗れないためムラになってしまいます。

コーティング作業をする時には、気温の低い朝や夕方、直射日光が当たらない曇りの日や屋根のあるガレージ等で行うのがベストです。

ガラスコーティングの施工時は天気の変化に注意!

また、天気のつながりで言うと「雨」にも注意をしなければいけません。ガラスコーティングは空気中の水分と化学反応を起こしてガラス被膜を形成するものがほとんどなので、水や湿度の扱いには注意が必要です。

そのため、ガラスコーティング施工後に完全硬化する前に雨などで濡れてしまうと、濡れた箇所から硬化が始まりムラの原因になってしまいます。施工してからコーティング剤が完全硬化するまでに時間がかかる液剤もあるので、雨に濡らさないように施工日以降の天気も確認してから、施工日を決めるようにしましょう。

⑤コーティングの劣化や汚れ、キズ

コーティングは劣化しやすい場所があります。太陽光が直接当たる屋根やボンネット、汚れや傷ができている部分です。こうしたコーティングの部分的な劣化も、ムラの原因となります。

また、ワックスやポリマーコーティングの場合には、雨や洗車によって洗い流されてしまうため、よく濡れる部分や拭き残した部分はコーティングが落ちてしまい、ムラの原因となります。

また、メンテナンスをしていない車の場合には、古いコーティング剤が劣化したままこびりついてしまうため、その上から重ねて施工することでもムラができてしまいます。

2. ガラスコーティングによりできたムラの落とし方

コーティングにできたムラを落とすには、ムラのできているコーティングを除去して、再度施工し直すことになります。ただし、コーティング剤の種類によって異なる部分がありますので、それぞれ詳しくお伝えしていきます。

2-1. ガラスコーティングのムラを除去する方法

まず、最近主流となっているガラスコーティングにできたムラを除去する方法からお伝えしていきます。
ガラスコーティングは、硬化系コーティングとも言われるように、コーティング剤を塗り込むと、時間とともに硬化して皮膜を作ります。そのため、簡単に剥がれ落ちることがなく、耐久性に優れているのですが、ムラに気づいても簡単に落とすことができません。

・施工後に見つかったムラの落とし方

ガラスコーティングの施工後にムラに気づいた場合には、コーティング剤を削り落として取り除く以外に方法はありません。コンパウンドと言われる研磨剤を用いて、ポリッシャーでボティーを磨く必要があります。

さらに、ガラスコーティングは硬い皮膜を作るため落とすための難易度が上がります。そのため、ガラスコーティングムラを落とすのは専門の業者に依頼することになります。

ディーラーや専門店に施工を依頼して、納車直後に見つかったムラであれば、すぐに指摘して対処してもらうべきでしょう。納車時には仕上がり具合をくまなくチェックすることが大切です。

また、自分で施工してできたムラは、専門的な知識や技術がない場合には無理に自分で落とそうとせずに、一度専門業者へ相談してみましょう。ムラを落とすのは費用が発生する場合もありますが、自分で無理に落とそうとして傷をつけてしまっては、その修理費用の方が高くつくでしょう。

・自分で施工している途中に気づいたムラの落とし方

施工後に硬化したガラスコーティングを自分で落とすことは難しいのですが、施工途中で気づいたムラには対処方法があります。塗り残しや拭き上げ不足が原因となっている可能性がありますので、まずはクロスで拭いてみましょう。硬化前の状態であれば、コーティング剤が伸びてムラが落ちることがあります。

この方法でムラが落ちない場合には、ムラのある場所に、再度同じコーティング剤を塗りこみ、拭き上げてみましょう。これでムラが取れる場合があります。

この方法を試してもムラが落ちない場合には、すでに硬化してしまっているため、業者に頼んで落としてもらうようにしましょう。

2-2.ワックスやポリマーコーティングのムラを落とす方法

ワックスやポリマーコーティングは、ガラスコーティングとは違って耐久性に乏しくなります。

そのため、ムラが見つかった場合には、コーティングを落とす成分が含まれているカーシャンプーを利用すれば、自分でもムラのあるコーティングを落とすことができます。

ただし、何年もメンテナンスしていない車の場合には、古いコーティング剤がこびりついていたり、塗装面にも侵食している場合があります。

カーシャンプーを利用してもボディーが綺麗にならず、ムラを落とすことができない場合には、専門店に相談するようにしましょう。

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3. DIY時にムラを作らないコーティング施工のコツ

ここまでお伝えしたように、コーティングにムラが見つかった場合には、そのコーティングを落として、施工し直すことでムラをなくすことができます。

ただし、上手に施工しなければ、同じようにムラができてしまうため、いつまでも満足できる仕上がりになりません。これは、業者が施工する場合でも、自分で施工する場合でも同じです。

ムラにならないためのコーティングのコツについてお伝えしていきますので、信頼できる専門業者を見つけたり、自分で綺麗に施工するための参考にしてください。

3-1. コーティング前の下地処理

コーティングの良し悪しは、この下地処理にかかっています。具体的には、

  1. 古いコーティングの除去
  2. 鉄粉の除去
  3. 脱脂

です。
①と②は同時に進めましょう。

必要なものは、古いコーティングを除去することができるカーシャンプーとトラップ粘土です。トラップ粘土とは、ボディーについた鉄粉を除去することができる粘土のことです。どちらもカー用品店で手に入ります。

カーシャンプーでボディーを洗いながら、鉄粉が付着しているところはトラップ粘土で除去していきましょう。マイクロファイバークロスやセーム革などを利用して、ボディーに傷がつかないように水分を拭き取ったら、③脱脂を行います。

脱脂とは、油を分解して取り除くことです。この作業を行うことで、新しく施工するコーティングの精度が高まります。こちらもカー用品店で、脱脂剤もしくはシリコンオフを探せばすぐに見つかります。

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3-2. ムラのできないコーティング手順

下地処理ができたら、新しいコーティングを施工しましょう。具体的な方法は、それぞれ使用するコーティング剤の使用方法をよく確認する必要がありますが、その際のポイントは、1パネルごとに細かく分けて作業することです。

例えば、ボンネット→バンパー→運転席ドア→助手席ドアといった具合です。1パネルごとに施工することで、ムラができなくなります。

さらに、例えばボンネットを3等分に分けて、左、真ん中、右という具合に細かく作業をすれば、一層丁寧な作業ができるため、ムラを防ぐことができます。一度に広範囲の施工をしようとすると、ムラになってしまうため注意しましょう。

また、コーティング剤を塗り残さないためには、縦→横→縦という具合に塗り込むことが有効です。同じ方向から塗っているだけだと、隙間に気づかず塗り残しができてしまうため、ムラの原因になるからです。塗り込みが終わったら、拭き取りも丁寧に行ってください。

余分なコーティングを取り除いたり、均等に引き伸ばすことができるため、ムラのない綺麗な仕上がりになります。

4. ムラの原因を追求して根本解決!

せっかくのコーティングも、ムラができてしまえば台無しです。ディーラーや専門業者に再施工を依頼するにしても、自分で塗り直すにしても、その原因がわからなければ満足な結果を得ることができません。なんども同じことを繰り返してしまうでしょう。

こうしたムラの原因には、次の5つがあります。

  • 下地処理ができていない
  • コーティングの塗り残しや塗りすぎ
  • コーティング剤の拭き取り不足
  • 炎天下で作業を行った
  • コーティングの劣化や汚れ、キズ

これらの原因を知っていれば、信頼できる専門業者を選ぶことにも役立ちますし、自分でムラのない施工することもできます。

今回は、できてしまったムラを落とす方法から、ムラのできないコーティングのコツもお伝えしましたので、きれいな愛車を手に入れるためにぜひ参考にしてください。

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